不動産営業マンのリアルを考えてたら、思想系になった…

不動産営業という仕事は、長らく「ブラックな業界」というイメージとともに語られてきた。かつては長時間労働や精神的なプレッシャーも含めて、“根性と成果がすべて”という世界観が色濃く残っていた。しかし近年、その構造は大きく変わりつつある。

コンプライアンス意識の高まりやIT化の進展により、業界は確実にホワイト化へと舵を切った。営業も属人的なやり方から、データや仕組みに基づく再現性のあるスタイルへと移行し、感覚頼りの営業は減少している。

採用面でも変化は大きい。4年制大学卒は当たり前となり、高学歴人材が不動産業界を選ぶことも珍しくなくなった。金融・法務・ITなど、求められる知識は確実に高度化している。一方で人材不足は続き、特にZ世代の育成は大きな課題となっている。価値観の多様化により、「背中を見て覚える」教育は通用しにくく、納得感のあるマネジメントが求められるようになった。

そうした変化の中で、独立を機に感じることがある。最近、いわゆる“できる営業マン”から相談を受ける機会が増えた。ここで言うできる営業マンとは、単に数字を上げる存在ではない。人間味があり、誠実さと素直さを持ち、気合と根性を備えながらも、時代に合わせたスマートさも兼ね備えている。経営者の視点から見れば、間違いなく財産になり得る人材である。しかしその価値が組織の評価軸と必ずしも一致しておらず、そのギャップに悩む声を多く聞くようになった。

かつての自分もまた、成果を出しても評価軸が噛み合わず、理想と現実の間で揺れていた。1000万円プレーヤーという分かりやすい目標を追いながらも、その先にある自由や裁量とのギャップに違和感を抱えていたことを思い出させる。

不動産営業のキャリアは、単なる「売れる・売れない」の世界ではない。組織の中で評価される価値と、自分が感じる価値のズレにどう向き合うかの連続でもある。その違和感が、転職や独立という選択を生み出していく。

そして今、自分が独立した立場になりあらためて思うのは、縁が重なり、こうした“できる営業マン”たちと同じ目標に向かって仕事ができるのであれば、それは非常に面白い挑戦になるということだ。数字だけではなく、人間らしさや誠実さを大切にしながら、それでもスマートに成果を出していく。そんな人間味のある人材と同じ方向を向き、共に仕事をしていける環境をつくれたなら、不動産という仕事はもっと価値のあるものになるはずだ。

業界は今、確実に変化の途中にある。その中で問われているのは、「個人の力をどう活かし、どう評価し、どう育てていくか」という本質的なテーマである。

そして中小企業の経営者が抱える人材不足や営業力の低下、教育・育成の仕組みづくり、事業の再構築といった課題も深い。弊社が取り組む事業再生や営業マン教育・育成は、まさにこうした現場の課題と直結している。

自社の成長だけではなく、同じように悩みを抱える企業と並走しながら、事業と人の両面から立て直していくこと。それもまた、これからの不動産業の一つの役割だと考えている。